【不動産業務のIT化】不動産DXと不動産テックについて
- 鳴海 優斗
- 2022年2月12日
- 読了時間: 4分
近年よく耳にする『不動産DX』と『不動産テック』をどのくらいご存じでしょうか?
本日は、この2つについて出来るだけ分かりやすくお伝えしようと思います。
まず最初に『不動産DX』についてです。
そもそもこの『DX(ディーエックス)』とは、『デジタルトランスフォーメーション』の略で、2004年にスウェーデンの大学教授が提唱した、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念が由来になっています。
今までの不動産業界は、基本的にアナログでの仕事でその古い体質が中々抜けていない業界でした。
その不動産業界でDXが浸透すると実務的な面ではどのようになるでしょうか。
具体例を挙げると…
≪店舗で対面接客→Webで非対面接客≫
≪物件を現地で内見→VRで内見≫
≪店舗で対面にて重要事項説明→Webで重要事項説明≫
≪紙の契約書にサインをもらう→Webで契約≫
≪エクセルで物件情報を管理→クラウド上の専用システムで物件情報を管理≫
従来対面で行ってきた業務をWebやVR等を活用して行うことで、
◇遠方により物件を直接内見出来ない方でも契約がしやすくなる
◇コロナ禍におけるリモートワークとの相性が良い
◇データの管理、業務の一元化がしやすい
◇各種業務に要する時間を大幅に短縮することが出来る 等々…
多くのメリットがあります。
そして、この不動産DXとよく似た言葉に『不動産テック』という言葉があります。
不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略で、テクノロジーの力によって不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みを指します。
現在の不動産テックには12種類のサービス事業があります。
①価格可視化・査定
⇒テクノロジーを用いたデータの収集・分析により、不動産の物件価格を査定し公表するサービスも提供され始めています。私がお世話になっているアットホーム様でもこのようなサービスを行っていて、不動産業者目線でも非常に便利です。
②マッチング
⇒不動産購入者や不動産所有者はもちろん、リフォーム業者や税理士など不動産に関わる様々な人同士をマッチングさせるサービスが代表例です。
③物件情報・メディア
⇒不動産情報(住宅、オフィス、ビル等)や広告を各種メディアに掲載すること
④VR・AR
⇒VR技術により現地に足を運ばすともお客様が物件の内覧を行なえるサービスや、AR技術で家具・家電の配置をシミュレーションするサービスもあります。
コロナ禍で非接触型接客の需要が高まり、益々勢いを増しているサービスです。
⑤不動産情報
⇒不動産の登記情報をデータベースに集める取り組みのことで、これは実務でもかなり重宝しています。不動産の登記情報を提供しているサイトがあるのですが、これにより法務局に行く手間が省けています。
⑥&⑦仲介業務支援・管理業務支援
⇒顧客と不動産の間の仲介、不動産の管理業務をテクノロジーにより支援する取り組みです。
⑧IOT(Internet Of Things)
⇒不動産の状況を確認するためのカメラやセンサー、電子錠による入退室管理システムに関するサービスです。IOTの身近な例を挙げると、外出先から玄関ドアの施錠を確認したり、家のエアコンの強弱を調整したり、照明のスイッチのON/OFFをしたりと、離れた場所にあるものを遠隔操作する機能です。
⑨ローン・保証
⇒テクノロジーにより様々な状況に応じたローンのシミュレーションを行うことが主な役割です。不動産購入者と仲介業者の間にサービス提供会社が入り、スマートフォンなどのチャット機能等を使い物件購入者に住宅ローンの商品選びや銀行選定、申込手続き等の日程調整など住宅ローンに関する業務を代行するサービスが代表例です。
⑩クラウドファンディング
⇒不動産投資の際に使われています。高額な不動産の投資費用を大人数で分割し、投資家一人あたりの金額は少額からでも始めることができるシステムです。このクラウドファンディングも数年前から急速な勢いで流行りましたね。
⑪シェアリング
⇒自分の使っていないスペースを他人に貸し出すようなサービスです。こちらも近年かなり増えてきていて、例えば自分が借りている部屋を数日留守にするときに、その間は他の方に貸すことが出来るといった賃貸住宅を扱っている会社も本州にあります。
⑫リフォーム・リノベーション
WEBプラットフォーム上でリフォーム業者と顧客のマッチングを提供するサービスを行っている業者もあります。
上記が不動産テックの概要となります。
不動産DXはデジタルを駆使し業務そのものを変化させるのに対して、不動産テックはテクノロジーの力で不動産ビジネスを進化させるという違いはありますが、どちらも目指す方向は一緒で、IT化の普及です。
良くも悪くも2019年12月初旬から流行り続けているコロナウイルスの影響で、今後確実にデジタル化は進行します。
不動産業界のみならず、どの業界においてもこの『IT化』がキーワードになってくるため、今回のDX、テックの内容を踏まえ、ご自身が身を置いている業界について調べてみるのも面白いかも知れません。
私たちも時代の波に置いて行かれないように日々勉強し続けます!
Comments